シミには様々な種類があり、それに合った治療法も異なってきます。
治療法を誤ってしまうと、シミが薄くならなかったり、かえって悪化してしまうこともあります。
当院では、内服薬や外用薬、点滴等を採用しており、 肌の状態を診察して、シミの種類に合った効果的な治療をいたします。
・老人性色素斑
シミの約6割がこの老人性色素斑です。
シミの境界は明瞭で、色調は均一に濃く茶色~こげ茶色で、一部にイボを伴うこともあります。
紫外線を浴び続けることによって生じる老化現象が原因であらわれます。若い頃に日焼けした人ほどできやすく、早い人では10代からできます。
・肝斑(かんぱん)
最初は頬骨のあたりに薄いしみが生じ、徐々に両方の頬に拡大します。まぶたの皮膚には生じないことが特徴ですが、最終的には三日月のように眼のまわりを取り囲みながら広がり 鼻下にもしみが認められるようになります。
30~40歳代の女性に多く、出産を契機に生じることが多いとされています。
“閉経を境に肝斑が薄くなったり消えたりすることが多いため、女性ホルモンの分泌が大きく関係していると考えられています。
男性には滅多に生じません。”
→治療法は:トラネキサム酸内服・外用、トレチノイン療法、ハイドロキノン軟膏
・炎症後色素沈着(ニキビ跡・傷跡)
“年齢に関係なく、顔面のどこにでも見られ、老人性色素斑と違い、境界はわかりにくく、色調もムラがあります。 日焼け・ヤケド・ニキビなど、何らかの炎症を生じた部位に生じます。紫外線を浴びることで悪化して濃くなることもあります。
男性のしみはほとんどがこの炎症後色素沈着です。仕事やゴルフで日焼けを繰り返すと高率に生じます。”
・雀卵斑(じゃくらんはん)
そばかすは、正式名称を雀卵斑(じゃくらんはん)といいます。薄い茶色や黒褐色の小さな斑点が鼻の周辺や頬など限られた箇所に現れます。ただし、発生する部位が顔に限られているのではなく、腕などに出ることもあります。
多くは遺伝性で、10代の思春期に多く見られるという傾向があり、紫外線を浴びて日焼けで悪化します。20代後半から薄くなることも多いです。
・後天性真皮メラノサイトーシス
遅発性太田母斑様色素斑と呼ばれていた時期もあり、太田母斑の一型と考えられていました。現在では太田母斑とは別の疾患と考えられています。
頬骨あたり、おでこの外側、小鼻に生じること多く、頬部では粒状ですが、おでこの外側では面状になります。肝斑と異なり、まぶたの皮膚にも生じます。
→治療法は:トレチノイン療法