トレチノインとは…
ビタミンAの誘導体で、効果はビタミンAの50~100倍であるといわれています。
残念ながら、日本ではまだ厚生労働省に認可されていませんが、
トレチノインは米国ではしわ・にきびの治療医薬品として、FDAに認可されており、
非常に多くの患者さんに皮膚の若返り薬として使用されています。
当院では、ご自宅でお使いいただける外用薬としてトレチノインをお渡ししています。
医療機関のみで処方できる医薬品で、化粧品の何倍もの有効成分を含んでいます。
ただし、トレチノインには多量摂取した場合に催奇形性の可能性があると報告されています。
妊娠中や妊娠の可能性がある方、授乳中の方、妊娠予定の方は外用できません。
★トレチノインの効果
トレチノインはニキビやニキビ跡、しみ治療、しわ等の改善に効果が見込まれるお薬です。
トレチノインにより角質が剥がされされ、コラーゲンも増殖するので、
シミや皮膚の張り・シワの改善が期待できます。
また、皮脂腺の働きを抑え、皮脂の分泌を抑えるためニキビにも効果的です。
特にシミにはハイドロキノンとの併用療法が特に効果が期待できます。
その他、二の腕や太もも、背中のぶつぶつ(毛孔性苔癬)などの改善も期待できます。
★トレチノインの治療効果と治療経過
1.トレチノインは体内に入ると普通のビタミンAになりますので、
アレルギーを起こしたりすることはまずありません。
使い始めてから数日-2週間前後で赤みや痛み・表皮が剥けてカサカサしたり、
ニキビが一過性に悪化したりすることがあります。
この期間はシミを漂白している時期で、一番辛いときです。
これは、肌の代謝が上がり治療経過として一時的に起こる反応です。
そのまま使用を継続すると、肌が慣れていき、徐々に効果が表れ新しい皮膚が再生します。
程度によって、外用回数を減らしたり、隔日で外用してもらいます。
(症状には個人差があり、体質によっては強い赤みが生じることがあり、その時は外用を中止していただきます。)
2.次の2~8週間で徐々に炎症が冷めていき、シミも少しずつ薄くなっていきます。
この時期にハイドロキノンの外用を併用していただくとより効果が認められやすい時期です。
皮ふの赤みはこの時期に完全になくなることが多いですが、
体質によっては外用中に赤みが残る方もいらっしゃいます。
3.使い始めて、2~3週間後に再診していただき、肌の状態を診させていただきます。
その後も変化があれば再診していただきます。
4.効果には個人差がありますが、大体2,3ヵ月~半年くらいで効果を実感される方が多いです。
5.トレチノインは、長期間使用し続けるとお肌に耐性ができ、徐々に効果が低下していきます。
4~8週間使用して1か月の休薬期間を設けるなど、医師と相談の上、治療期間を決めましょう。
★トレチノインの注意点
1.強い効果を持った薬ですので、使用量を誤ると人によってはかぶれたり、刺激があります。
赤みや刺激が強い場合は使用を中止し、医師に相談してください。
2.まずは手首などでパッチテストをおこなってください。
3. 治療中は必ず遮光してください。日焼けをすると赤みがとれず、
そのまま残り、シミが濃くなる場合があります。
短時間でも日中外出の際は、SPF20以上の日焼け止めを使用してください。
4.妊娠中や妊娠の可能性がある方、授乳中の方、妊娠予定の方は外用できません。
トレチノインは、自己判断で使用せず、必ず医師の指導に従ってご使用ください。
★トレチノインの使い方
1.トレチノインは1日1回就寝前に使ってください。
2. クレンジング剤でメイクを落とし、刺激の少ない洗顔料(石鹸や洗顔フォームなど)
を良く泡立てて優しくなでるように洗います。
ごしごしこすらないようにぬるま湯をかけてすすいでください。
3. 洗顔後、ビタミンC誘導体9%ローション・化粧水を顔全体に塗布し、しっかり保湿してください。
4. シミや気になる患部のみに清潔な綿棒で薄く重ね塗りしてください。
患部以外に塗り広げないように注意してください。
5.2~3分おいて、トレチノインが乾いたら、ハイドロキノンを重ね塗りしてください。
6.残りの部分に美容液・乳液・クリームを塗布してください。
7.翌日の朝は、トレチノインを洗顔で落とし、ビタミンC誘導体9%ローション・化粧水を顔全体に塗布し、しっかり保湿してください。
8.外出前に日焼け止めクリームを顔全体に塗布し、メイクをしてください。
保管方法
冷凍庫で保管してください。
トレチノイン院内製剤の料金
初診料 3,000円
再診料 1,000円
・ トレチノインオイルジェル0.1% 4,500円
・ブライセル(SRP)〜変わるスキンキュア〜 Rクリーム 3000円